【ポケモン剣盾】ザシアンの最強努力値調整について徹底考察【育成論】

 S15の上位構築のザシアンはほとんどがSを大きく削った耐久振りの個体であった。最速の個体はほぼ使われておらず速いザシアンは結果を残せなかったということになる。そこでS振りのザシアンはなぜ結果を残せなかったのか?S振りザシアンは弱いのかということについて考察し最適な努力値振りを考えていく。

 

1.上位のザシアンはなぜ耐久振りばかりになったのか?

 まず結果を残した構築のザシアンがなぜ耐久振りばかりだったのかそのことについて努力値や実数値の効率という観点から考察していきたい。

朽ちた剣を持たせたザシアンの種族値が以下のようになっている。

H92 A170 B115 C80 D115 S148

合計種族値720で特攻も低く非常に無駄のない配分のように思える。ただこの完璧に見えるザシアンの種族値には実は弱点が存在する。その弱点を分かりやすくするために無振り無補正の実数値に直して見ていきたい。無振りの実数値が以下のようになる。

H167 A190 B135 C100 D135 S168

すると禁止伝説の割には非常にHP実数値が低いことが分かる。耐久値を最も高くするための最高率の配分がH=B+Dに近づけることなのでザシアンはH=167、B+D=135+135=270となり1.7倍ほど差があることになる。ここまで差があるポケモンはなかなかいない。つまり種族値だけ見るとかなり固く見えるが配分効率が悪く無振りの状態だと種族値程の固さはないということになる。逆に言うとHPに振ると非常に固くなるポケモンである。

 もう一つそもそも努力値振りは実数値が低い部分に振った方が効率がいい。例えばハピナスを例にとると無振りの防御実数値30だがこれを努力値252振りすると62となり物理耐久は二倍以上になる。特殊受けのハピナスが防御振りされることが多いのはこの努力値効率を意識されるためである。ではこれをザシアンに当てはめた場合どうなるかというとザシアンの攻撃実数値は無振りで190と非常に高い(性格補正は逆に実数値が高い部分にかけたほうが効率が良い)。すなわちようきAS振りというのは非常に効率が悪い振り方でポテンシャルを活かせておらず、逆に耐久振りザシアンは効率のいいH振りでポテンシャルを十分に引き出せていたということになる。

2.ようきASザシアンはザシアンミラーに強いのか?

 ただS振りのザシアンならザシアン同士の対面には強く出れるのでは?という意見があるかもしれない。ただ一般的なようきASは実は耐久振りザシアンに勝つことができない。なぜかというと上位の結果を残したザシアンの大半が電光石火を採用していた。これにより耐久無振りのザシアンはいじっぱりの耐久振りザシアンのきょじゅうざん+石化で確定で落ちてしまうためS振りのミラーマッチに強いという利点も活かせていなかったのである。

 以上の理由からS振りザシアンは前シーズン結果を残すことができなかったと考えられる。

3.S振りは結局のところ弱いのか?

 では上位のザシアンはSに振っていなかったのだがS振りは本当に弱いのであろうか?筆者個人の意見だが環境がザシアン中心である以上はやはりミラーマッチ意識のS振りが最強であると考える。そもそも前シーズンはSを削ったザシアンがあまり想定されていなかったので動きやすかったという面があると考えられる。エースバーンの後手をとってダイジェットやダイナックル読みできょじゅうざんを打つという立ち回りをされていた方も居るようだがこれはザシアンのS削りを想定されると非常に厳しくなる。立ち回りやあるいは構築段階でSを削ったザシアン前提の動きがされるということだ。そもそもS振りはポケモン対戦の勝率を上げるという意味においては非常に理にかなった振り方である。一発耐えて殴るよりは上から攻撃をさせずに倒した方が効率がいい。また耐久調整は急所や追加効果などで崩される可能性があるが、逆にS振りは上から一方的に急所や追加効果による勝ち筋を狙っていけるという利点もある。そのためザシアンはS振りが最強であるが前期はそもそも努力値効率が悪く、ミラーマッチに強い利点を活かせないAS振りが主流だったためS振りザシアンは結果を残せなかったというのが筆者の考えである。

4.ザシアンのおすすめ調整の紹介

 以上の考察を元におすすめの振り方を3つほど紹介する。

*おすすめの調整その1 HS型

・性格

ようきorいじっぱり

努力値

H252 B4 S252

・技構成例

アイアンヘッド、ほのおのキバ、でんこうせっかつるぎのまい

 ミラー意識のS振りだがAではなくHに振った。A振りは効率が良くないのに加えてH振りすることでA特化ザシアンのきょじゅうざん+石化をよほどの高乱数を引かない限りは耐えることができる。ダウンロードポリ2は環境にほぼ存在しないので少しでも耐える確率を上げられるように端数はDではなくBに振った。技構成例では鋼タイプへの打点になり更にS振りの利点を生かせるよう追加効果の狙える炎のキバを採用している。技構成はホウオウがきつければワイルドボルトを採用したり、メタモンを意識ならみがわりを採用する等パーティ次第で柔軟に変えていきたい。

*おすすめの調整その2 A特化型

・性格

いじっぱり

努力値

A252 D4 S252or H252 A252 S4

・技構成例

アイアンヘッドインファイトワイルドボルトつるぎのまい

 力こそ正義という方はA特化型をおすすめしたい。ようきだと効率が悪くまた中途半端なためAに振りたいならいじっぱり一択。個人的にはASぶっぱがおすすめだが耐久重視のHA振りも悪くないかと思う。Hに振る場合はミラー意識でSにもう少し割くのもいいがあまり大きくは振らなくていいだろう。技構成は突破力重視で3ウエポン+剣舞にした。Sに振らない場合はでんこうせっかを入れるのもあり。

*おすすめの調整その3 耐久調整型

・性格

いじっぱり

努力値

H252 A76 B4 D132 S44

・技構成例

アイアンヘッド、じゃれつく、かみくだくでんこうせっか

 耐久調整するなら環境に多いスカーフカイオーガを意識した振り方がおすすめ。調整例はスカーフ潮吹きを耐えるまでDに振りAを効率重視で11nまで確保しあまりはミラー意識でSに振った。S15の1位の方のザシアンがほとんどSに割かない調整だったため真似をしているザシアンが多い今はミラーも上を取りやすいだろう。技構成は対面意識でフルアタ。耐久やHPを減らす技を採用したくなかったのでかみくだくを採用。広く等倍以上を取ることができギルガルド、黒バドレックス、ヌケニンあたりへの打点として非常に優秀。

5.結び

 今回は前シーズンの結果と調整の効率という観点からザシアンの最適な努力値調整について考察した。ザシアンは持ち物固定で調整により非常に差が出やすいポケモンであり努力値効率の仕組みを活かした振り方を知っていると非常にポテンシャルを活かしやすいだろう。また他のポケモンの調整を考える際にもこの記事の内容が参考になれば幸いである。

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